Rekt Builderの調査により、Ledger Live'のデータ収集慣行に関する不穏な詳細が明らかになった。Ledgerハードウェアウォレットの公式ソフトウェアであるLedger Liveは、ユーザーの行動を広範囲に追跡しているとして、監視の対象となっている。開発者によると、インストールしたアプリから保有する暗号通貨まで、ユーザーのあらゆる行動が監視されているという。
Rekt Builderは、Ledger Liveの真正性チェックがアプリのリスト作成プロセスに組み込まれていることを明らかにした。このメカニズムは、ユーザーがLedgerデバイスを接続し、ソフトウェアを起動すると作動する。デバイスの真正性を確認し、シリアル番号、ファームウェアのバージョン、インストールされているアプリを記録する。このデータはLedgerのサーバーに送り返される。
さらに問題なのは、Ledger Liveがデバイスの暗号通貨残高を追跡していることだ。この情報もLedgerのサーバーに送信され、Ledgerは顧客の暗号資産の包括的な記録にアクセスできる。
Ledger Live'の遠隔追跡機能を無効にする努力は無駄であることが判明した。この機能をオフにしようとすると、ソフトウェアが誤動作する結果となった。これは、ユーザーの行動を確実に追跡するために、Ledgerが意図的にデザインしたことを示唆している。
Rekt Builderの発見が意味するところは大きい。もしLedgerが本当に各ユーザーの動きを監視しているのであれば、ユーザーの特定や取引追跡のリスクが現実の問題となる。Ledgerの中央サーバーに侵入があれば、重要なデータが流出し、暗号通貨を大量に保有する個人を危険にさらす可能性がある。
Ledger社はこの最新の疑惑にまだ反応していない。しかし、Ledgerを取り巻くプライバシーに関する懸念はこれが初めてではない。2022年、同社はユーザーのオンライン活動や取引を追跡したとして批判にさらされた。その後、同社は謝罪を発表し、プライバシー対策の強化を約束した。
2023年7月、あるセキュリティ研究者がLedger'のNode Package Manager(NPM)アカウントに脆弱性を発見した。このセキュリティギャップにより、攻撃者は電子メールアドレスや購入履歴を含むユーザーデータにアクセスできる可能性がある。27万以上のアカウントがこの欠陥の影響を受けたと推定されている。
その約束にもかかわらず、Ledgerはプライバシーとセキュリティの論争に巻き込まれ続けており、ユーザーのデータ保護へのコミットメントに対するユーザーの信頼を損なっている。